日本デザイン機構は2018年3月をもって活動を終了いたします。1995年の設立から23年間「ソーシャルデザイン」をキーワードに様々な活動をしてまいりました。この機関誌『VOICE OF DESIGN』も1996年1月の創刊号以来本号まで62冊を重ねました。
本最終号は、23年間の活動の軌跡と会員、元会員からの寄稿で構成いたしました。お目通しいただければ幸いです。
長きにわたってのご厚誼ご支援に感謝申し上げます。
2018年3月
日本デザイン機構 理事長
伊坂正人
日本デザイン機構の解散について
日本デザイン機構は、複雑化する社会において一方で諸専門が細分化するなかで「デザインを分母として、技術・社会・人文・自然科学などの学際的連携を通じ、地球時代の課題に取り組む」ことを目標に1995年に設立しました。一昨年、故人となられた榮久庵憲司氏の呼びかけに応じて、故菊竹清訓氏、故粟津潔氏そして現日本デザイン機構会長水野誠一氏など専門を超えた人たちが集まり、会設立にいたりました。以来23年間「デザインで諸問題を切る」また「諸問題をデザイン課題とする」活動を「ソーシャルデザイン」という視点から課題発掘しシンポジウムやフォーラムなどを開催してきました。また、その成果を会報『VOICE OF DESIGN』や出版物などを通して世に問うてきました。
こうした活動のなかで、「クルマ社会」「水環境」「消費社会」「災害」など具体的なテーマを深堀し、様々なかたちで提言をしてきました。いまデザインは、社会のための思考であるという概念は定着してきました。これからはこうしたテーマをより具体的なデザイン活動に展開することが求められます。
こうした状況のなかで、日本デザイン機構の運動体としての役割を終えたという認識のもと、本会を解散することとなりました。23年間の活動を支えた会員諸氏、また、その活動を支援していただいた方々に感謝と御礼を申し上げます。また、本会の理念を引き継ぎ、新たな展開を志す人たちへの改めてのご支援をお願いいたします。