マイナスのデザイン

日本は経済大国といわれるようになった代償として、日本人が平安時代から維持してきた美意識を失ったのではないかと疑われる事象が目に付く。
「公」の場において過剰なまでに目立たせようとする企業の電飾や看板、狭い歩道を占拠して通行を邪魔する電柱や各種標識の乱立、道路構造が引き起こす街路樹の根上がり現象など日常的に不快・不便を感じながら見過ごしている現実に対し、「私」と「公」に「公共」という視座を加え、公共空間のあり方を環境・景観・経済・歴史・文化等の切り口で具体的にデザインするための道筋を探る委員会である。
換言すれば「公」における過剰な「エゴ」の表出をマイナスし「エコ」にする概念である。「エゴ」の濁点を如何にマイナスするかでもある。

書籍『マイナスのデザイン』を刊行しました

2011.04.12

マイナスのデザイン

発行日:2011年4月12日
出版社:ライフデザインブックス
定価:2,000円(税抜)

内容

21世紀の公共デザインのあり方を、 豊富な事例と写真で提示するオムニバス都市論。
余剰を排し、そぎ落とした洗練へ。 引き算の発想で本質を炙り出す。 オーバーデザインにストップをかけ、デザインの転換を果たす。

目次

プロローグ マイナスのデザインとホロデザイン 水野誠一
第1章 [美学] 公共デザインの美を問う 田中一雄
第2章 [文化] 関係性の価値と社会デザイン 佐々木歳郎
第3章 [建築] 都市景観の未来 景観デザインが繁栄を決める 車戸城二
第4章 [心身] 『Kosmosの音楽』を奏でる都市に向けて 大野純平
第5章 [交通] 無駄のない道が安全快適を生む 森口将之
第6章 [観光] ビジット デザイニング発想 谷口正和
第7章 [緑]  都市における緑のあり方 小林治人
第8章 [色彩] 響きあう景色 高山美幸
エピローグ パブリック デザイン マネジメント 伊坂正人

マイナスのデザイン出版企画案

2009.06.10

「マイナスのデザイン ー 美しい街への作法(仮)」出版計画案

企画主旨

日本デザイン機構では、個と全体の関係性を包括して捉えるホロデザインの観点から、過剰なモノ社会や消費社会のあり方について「マイナスのデザイン」というテーマで検討をしてきました。

とりわけ公共の場にはさまざまな「マイナスのデザイン」の対象が存在しています。わかりやすさを稚拙な漫画で表現する標識、これでもかといっているかのような過剰な表現の「私」企業の看板、通行をじゃまする樹木や電柱、個人の好みが優先され周辺との調和を無視して建てられた住宅。これらのなかには電柱埋設などの具体的な解決策が一部実行される時代にはなってきていますが、しかしまだ見過ごしている実態も多くあります。

こうした問題に対しては、これまでの日本にみられた「私」と「公(官)」という二元論から、「公」「私」に加え「公共」という概念づくりが要ります。またモノや情報、空間に対するパブリックレルム(公共の領域)の認識が課題となります。 この「マイナスのデザイン」では、こうした認識のもと改めて公共の意味を問いながら、景観、環境、経済、歴史、文化などの切り口で公共の場におけるデザインのあり方と問題解決のためのシナリオを考えます。

内容構成案

はじめに―マイナスのデザインとホロデザイン 水野誠一
美学・公共デザインの美を問う 田中一雄
文化・まちへのまなざしを取り戻す 佐々木歳郎
建築・都市のセンスが繁栄を決める 車戸城二
身体・ふたつのエネルギーから21世紀の景観を読み解く 大野純平
交通・単純明快な道こそ安全快適 森口将之
観光・ビジットデザイニング 谷口正和
緑 ・都市における緑のあり方 小林治人
色彩・選択者の采配が景色を変える 髙山美幸
おわりに―パブリックデザインマネジメント 伊坂正人

出版概要

A5版、200から250ページ程度。2011年4月刊行予定。